JR山手線・京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」。海の香りのする高輪築堤跡とともにめぐる

 2020年3月に開業した、高輪ゲートウェイ駅。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、緊急事態宣言の発出などにより、開業当初は訪れることができませんでした。

 開業から2年。
 本格的な開業は2024年度末(2025年3月)を予定しています。
 周辺では再開発が進み、その現場からは高輪築堤の一部が発見されました。

 未完成の今だからこその景色を見に、高輪ゲートウェイ駅へ向かいました。

高輪ゲートウェイ駅の歴史

 高輪ゲートウェイ駅は、JR山手線・京浜東北線品川駅-田町駅間に、2020年3月に開業しました。
 山手線としては、西日暮里駅に次いで49年ぶり、30駅目に開業した駅です。
 JR山手線・京浜東北線で初めてカタカナを使った駅名は、開業前、公募・選考・決定の過程が大きなニュースにもなったので、記憶にある方も多いと思います。

 設計は、隈研吾氏。

 隈研吾氏は、東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式会場および競技会場となった、新国立競技場の設計者でもあります。
 新国立競技場は、47都道府県の木材を使用したことでも話題となりました。

 高輪ゲートウェイ駅も同じように、木を使った設計であることが知られています。

 また先述のように、高輪ゲートウェイ駅とその周辺の再開発を進める中で、「高輪築堤」の一部が発見されました。
 これは、日本最初の鉄道が新橋駅-横浜駅間に開通した際、海上に線路を建設するために作られたものです。

 今回は、高輪ゲートウェイ駅へ行くだけでなく、駅舎を見ることや、高輪築堤跡を見ることもできました。

「お化けトンネル」を通る

 JR山手線・京浜東北線の駅である高輪ゲートウェイ駅ですが、都営浅草線・泉岳寺駅からも徒歩圏内にあります。
 今回は、泉岳寺駅から、高輪築堤を見つつ、高輪ゲートウェイ駅へ向かうことにしました。

都営地下鉄浅草線・泉岳寺駅は、写真を撮りたくなる駅。フォントが好き。
改札外のタイル。
「きっぷうりば」の表示。こちらもフォントが好き。

 高輪ゲートウェイ駅へはA2出口から出たほうが近いのですが、今回はA4出口から。

『伊勢久』というおそば屋さん。

 出口を出るとすぐに、「オバケトンネルはこちら」と案内がありました。

これは、高輪橋架道橋への道の入口にあった表示。

 「お化けトンネル」の正式名称は、『高輪橋架道橋』

 現在は人しか通ることができませんが、高輪ゲートウェイ駅の工事が始まるまでは、車も通ることができました。
 高さ制限は1.5mということで、車高の高い車は通れませんでした。
 タクシーの行燈がぶつかってしまうことから「行燈殺し」、通る人の首が曲がってしまうことから「首曲がりトンネル」とも呼ばれていました。

 実際の高さは、私の身長と比べても1.5mよりは高そうです。
 高さはずっと変わらないはずなのに、中心に近くなるほど圧迫感が出てきて、首をもっと曲げたくなるのが不思議。

 往復して、高輪築堤を見に行くことにしました。

高輪築堤跡へ

 2019年、高輪ゲートウェイ駅の工事の際、石垣の一部が発見された「高輪築堤」。
 高輪築堤の全面保存を求める声もありましたが、最終的に一部の保存にとどまることになりました。

 私が訪れた際にも工事は進められていました。
 150年前に作られた高輪築堤と、現代の私たち。
 何だかタイムスリップしたような気持ちになりました。

 現在のところ、周囲にはフェンスがはりめぐらされています。
 現地保存される部分もあるということなので、公開されるときを楽しみにしたいと思います。

いざ、高輪ゲートウェイ駅へ!

 お化けトンネルを出て左に曲がると、泉岳寺が見えてきます。
 泉岳寺前の交差点から、高輪ゲートウェイ駅が見えてきました!

 周囲はまだ工事中。この景色を見られるのも今だけと思うと、貴重な瞬間です。

 高輪ゲートウェイ駅は、1階がホーム、2階が改札口やお手洗い、3階がデッキというつくり。
 駅に面した道路から、エスカレータもしくはエレベータ利用で2階に上がり、改札を通ります。
 
 駅名が明朝体なのが印象的です。

 通路も広く、天井も高く、開放感のある設計になっています。
 ストリートピアノも設置されていて、弾いている方がいらっしゃいました。
 窓も大きく取られていて、たくさんの線路を見ることができます。
 鉄道が好きな方にはたまりません。

 3階のデッキには、スターバックスコーヒーがありました。

 改札の外なのでどなたでも利用でき、景色を見ながらコーヒーを味わえます。
 お店の外から見ただけでは分からなかったのですが、半個室の席があったり、ブース型のシェアオフィスが設置されていたりするのですね。
 
 線路とは反対側、再開発の進んでいるエリアは、多くの重機が使われていました。
 あれだけの規模の工事を、どんな人でも上空から見られる機会は貴重かと思います。

 ずっと見ていても飽きません。
 定点観測するのも楽しそうですね。
 
 さて、いよいよホームに降ります!

 高輪ゲートウェイ駅は、バリアフリーの観点からも使いやすい駅となっています。
 改札口のある2階の通路が広く取られていることや、エレベータへの動線がまっすぐであること、エレベータが各ホーム2基ずつ設置されていることからも分かります。

 発車メロディは、以下の4つ。

 新駅開業なので新しいメロディが採用されるのかと思いましたが、既存のものを使っています。 

まとめ

 都営浅草線・泉岳寺駅の出口を出た瞬間から、潮の香りが漂っていたのが印象的でした。
 すぐそばに海があるのだから、当たり前のことなのかもしれませんが、「ここには本当に高輪築堤があったのだな」と実感しました。
 今年は、鉄道開業150年。
 そんな年に、高輪築堤跡を見ることができてよかったです。

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